【2026/2/24最新】メキシコ治安危機3日目|死者74名に修正・W杯開催地変更の危機・コード・レッド解除へ【現地駐在員が徹底解説】

・死者数が55名→74名に上方修正された背景
・コード・レッド解除とハリスコ州の正常化タイムライン
・FIFA W杯2026グアダラハラ開催が本気で危ない理由
・プエルトバジャルタ刑務所から23名脱獄の衝撃
・CJNG後継者問題と「本当に怖い」今後のシナリオ
・アグアスカリエンテスの2/25時点の道路・生活状況
・在メキシコ日本人が今すべきこと
【速報】死者数が74名に上方修正——何が変わったのか
2月23日の夜、オマル・ガルシア・アルフチ治安大臣が死者数を74名に修正しました。
治安部隊側:27名
・国家警備隊(Guardia Nacional):25名
・刑務官:1名
・ハリスコ州検察職員:1名
犯罪組織側:46名
・タパルパ作戦で死亡:8名(メンチョ+護衛含む)
・各地の報復活動中に射殺:38名
民間人:1名
・サポパン市で流れ弾に被弾した妊婦(死亡)
なお、逮捕者は全国で70名以上。ハリスコ州だけで41名が拘束されており、うち20名が暴力行為、21名が略奪・窃盗での逮捕です。
コード・レッド解除へ——ハリスコ州の正常化タイムライン
ハリスコ州のパブロ・レムス知事が2/23(月)夜に発表した正常化スケジュールは以下の通りです。
2/24(火)
✅ 商業施設・スーパー・中央卸売市場が全面再開
✅ 銀行(BBVA・Santander・HSBC等)が営業再開
✅ 公共交通・Uber・DiDi・出前アプリが正常運行
✅ ガソリンスタンド通常営業
✅ グアダラハラ大学がオンライン授業を段階的に再開
⚠️ コード・レッド:朝の治安会議で解除を検討
2/25(水)
✅ ハリスコ州全域の学校が再開(公立・私立・全レベル)
継続中
⚠️ 焼損車両の撤去作業(州道・幹線道路)
⚠️ 連邦軍2,500名追加派遣(合計約10,000名体制)
プエルトバジャルタの衝撃——刑務所から23名脱獄
今回の危機で「最も衝撃的だった事件」のひとつが、プエルトバジャルタで起きた刑務所襲撃事件です。
・2/22(日)、武装したCJNGメンバーがイスタパ地区の刑務所を襲撃
・銃撃戦の末、23名の受刑者が脱獄
・刑務官1名が死亡
・近隣住民が複数の銃声を報告
・観光エリアからは離れているが、街全体が騒然
現在は軍が十分な人員を配置し、ホテルゾーン・交通・食料供給の安全確保にあたっていると発表されています。
W杯2026グアダラハラ開催が「本気でヤバい」理由
今回の事件が、W杯2026に与える影響は計り知れません。
▶ プレーオフ大会(2026年3月26-28日)——わずか1ヶ月後
・ボリビア、ジャマイカ、ニューカレドニア、スリナム等が出場
・会場:エスタディオ・アクロン(グアダラハラ)
▶ グループステージ(2026年6月)
・グアダラハラで4試合開催予定
・6/18:メキシコ vs 韓国
・6/26:ウルグアイ vs スペイン
・約300万人の来場者を想定
ここで重要なのが、FIFAの規定です。
スポーツ法の専門家であるメルボルン大学のジャック・アンダーソン教授は、「異例の状況」があればFIFAは一方的に開催都市との契約を解除できると指摘しています。
一方、ハリスコ州のレムス知事は「FIFAから懸念を示す連絡は受けていない」としていますが、治安の回復と維持が最優先課題であることは間違いありません。
CJNG後継者問題 |「本当に怖いのはこれから」
専門家たちが口を揃えて警告しているのは、「メンチョの死は終わりではなく、始まりだ」ということです。
① 明確な後継者がいない
・息子エル・メンチート:2025年9月にワシントンDCで有罪判決
・義兄弟アバガエル・ゴンサレス:米国で起訴中
・義理の息子エル・グアチョ:2025年12月に11年の実刑
・右腕エル・トゥリ:2/23に軍に射殺
② 指揮系統が二重に破壊された
・メンチョ(トップ)+エル・トゥリ(財務・武器・作戦指揮)が同時に排除
・これは「CEOとCFOが同時にいなくなった会社」のようなもの
③ 歴史が繰り返すリスク
・2024年:シナロア・カルテルの「エル・マヨ」逮捕→内部抗争で数千人が死亡
・2006-2012年:カルデロン政権のキングピン戦略→組織分裂→暴力が激化
セキュリティ分析企業ダイアミ・セキュリティ・インテリジェンスのクリス・ダルビー氏は、Al Jazeeraの取材に対してこう述べています。
「メンチョを排除したからといって組織が崩壊するわけではない。CEOを解任したら会社が潰れる、というようなもの。麻薬の流れは続くし、王座を狙う者は山ほどいる」
「CJNGはまだ国の半分を炎に包む力を持っている。そして今度はライバル組織が、CJNGの縄張りをどこまで奪えるか試してくるだろう」
CJNGの軍事力 |「国家レベル」の武装
今回の作戦と報復で改めて明らかになったのが、CJNGの異常な武装レベルです。
・RPG-7 ロケットランチャー(2015年に軍用ヘリ撃墜実績あり)
・バレットM82 対物狙撃銃
・グレネードランチャー
・迫撃砲・手榴弾
・装甲車両
・車両爆弾(VBIED)——サン・フアン・デ・ロス・ラゴスで使用
CJNGの推定構成員数は約19,000人、メキシコ32州中21州で活動し、組織の資産規模は130億ドル(約2兆円)以上とされています。
国際社会の反応 |「屋内退避」から「称賛」まで
🇺🇸 アメリカ
・ホワイトハウス:「情報支援を提供した」と確認
・国務副長官ランドー:メンチョを「最も血なまぐさく冷酷な麻薬王の一人」と表現
・国務省:10州以上にシェルター・イン・プレイス指示(カンクン・コスメル・PVR含む)
・危機対応ホットラインに数百件の電話
・米国内からの問い合わせ:+1-888-407-4747
・海外からの問い合わせ:+1-202-501-4444
🇯🇵 日本
・外務省:スポット情報発出(ハリスコ・グアナファト・アグアスカリエンテス名指し)
・在レオン日本国総領事館:+52 (477) 343-4800
🇬🇧 イギリス
・FCDO(外務省):メキシコ渡航情報を更新。屋内退避指示
🇨🇦 カナダ
・南西メキシコに渡航警告
🇪🇸 スペイン
・大使館・総領事館がスペイン国民と連絡中
🇮🇳 インド
・在メキシコインド大使館がシェルター・イン・プレイスを呼びかけ
アグアスカリエンテス現地レポート——「陸の孤島」から回復中
2/22(日)に全方位の幹線道路が封鎖され「陸の孤島」状態になったアグアスカリエンテスですが、2/24-25時点ではかなり正常化しています。
✅ アグアス ↔ レオン(45号線南):正常化
✅ アグアス ↔ サカテカス(45号線北):再開
⚠️ アグアス → グアダラハラ(45号線南):通行可能だが一部区間に焼損車両残骸あり。注意して走行
⚠️ 70号線東(オフエロス方面):通行可能だが要確認
・スーパー・コンビニ:通常営業に復帰
・学校:再開済み(ハリスコ州以外はほぼ全面再開)
・銀行:通常営業
・ガソリン:供給正常
・「Blindaje Aguascalientes(シールド・アグアスカリエンテス)」治安計画が引き続き発動中
・軍・国家警備隊・州警察の合同パトロール継続
メキシコ在住者・旅行予定者が今すべきこと
【在住者向け】
① 外務省「たびレジ」に登録(まだの人は今すぐ)
② 在レオン日本国総領事館の連絡先を携帯に登録
→ +52 (477) 343-4800
③ パスポート・重要書類のコピーをクラウドに保存
④ 3日分の食料・水・現金を常備
⑤ 夜間の不要不急の外出を控える(特に今後2〜4週間)
⑥ SNSのデマに注意:公式情報源のみを参照
【旅行予定者向け】
① ハリスコ州(グアダラハラ・PVR)への渡航は、当面は慎重に判断
→ 観光インフラは復旧中だが、後継者争いのリスクは残る
② 航空券の変更・キャンセルポリシーを確認
→ 多くの航空会社が柔軟な対応中
③ 旅行保険に加入(テロ・暴動カバー付き推奨)
④ カンクン・メキシコシティは比較的平穏だが情報収集は継続
今後のモニタリングポイント
① コード・レッド解除(2/24 治安会議結果)
→ 解除されれば正常化の象徴
② ハリスコ州の学校再開(2/25 水曜)
→ 問題なく再開できるかが治安のバロメーター
③ W杯プレーオフ(3/26-28 グアダラハラ)
→ これが安全に開催されるかが6月の本大会を左右
④ CJNG後継者争いの兆候(今後数週間〜数ヶ月)
→ 新しいリーダーが現れるか、分裂するか
⑤ シナロア・カルテル等ライバルの動き
→ CJNGの縄張りに侵攻してくる可能性
⑥ 日本外務省の安全レベル変更
→ 現在レベル2の地域がレベル3に引き上げられる可能性
⑦ プエルトバジャルタの観光回復
→ 航空便の完全復旧と風評被害からの回復
まとめ——「正常化」と「次の嵐」のあいだで
今回の事態を一言でまとめるなら、「メキシコ史上最大級のカルテル指導者排除作戦」であり、同時に「メキシコの脆さが世界に露呈した3日間」でした。
・死者数は74名に上方修正(治安部隊27名+犯罪組織46名+民間人1名)
・ハリスコ州のコード・レッドは2/24に解除検討。学校は2/25から再開
・FIFAがグアダラハラのW杯開催に「かなりの懸念」——3月のプレーオフが試金石
・CJNGに明確な後継者なし。今後数週間〜数ヶ月が「真の危険期間」
・アグアスカリエンテスはほぼ正常化。ただし車両爆弾は州境80kmで使用された
・今回の危機は「終わった」のではなく、「次のフェーズに移った」












